本日はウサギの避妊手術について、実施例と解説をします。
「そもそも避妊手術はすべきなの?麻酔は大丈夫なの?」
よく飼い主さんから尋ねられる質問ですが、結局は「メリットとデメリットのてんびん」になります。
避妊手術のメリット
①将来高確率に発生する子宮癌などの子宮疾患を防げる
②発情周期によるストレスを緩和できる
避妊手術のデメリット
①麻酔リスクがある
②太りやすくなる
結局のところ
将来の子宮疾患を防げるメリット VS 麻酔リスクというデメリット
の一騎打ちです。
ちなみに当院では若い子(2歳以下のウサギさん)には避妊手術を推奨しています。
それは、
「4歳以上のメスウサギの80%はなんらかの子宮疾患になるため」で、
「避妊手術の麻酔リスク(死亡など)は1%と言われているため」です。
また高齢になって子宮疾患になった場合、結局は手術をすることになります。
その場合の麻酔リスクはもっと上がります。
もちろん飼い主さんにとって大切なウサギさんです。1%のリスクも怖いとは思います。
しかし、いたずらに麻酔を怖がるのではなく、かかりつけの先生に一度ご相談されてはいかがでしょうか。無事に手術が終われば安心して長生きできます。
さて当院での実施例の紹介です
1歳のミニレッキスのハッピーちゃん。避妊手術を希望され来院しました。
飼い主様には事前にご来院いただき、詳しいご説明をしています。
麻酔をかけます
当院では5種類ほどの麻酔関連薬を使用して、麻酔導入をします
その後、ウサギ専用の気管チューブを入れて、手術スタートです
ウサギは子宮の周りに脂肪を蓄えます。そのため血管の処理が難しいです。
しかし当院では「サンダービート」という高度医療機器を備えており、
迅速に手術ができます(写真真ん中の機器)
子宮を摘出して、お腹を閉じておしまいです
所要時間は30分ほどでした
摘出した子宮と卵巣です。脂肪が多いのがわかりますね。
手術翌日、元気に帰っていったハッピーちゃん
一週間後に抜糸です
ウサギの麻酔はとても気を使います。
ですが、飼い主さんのもとに無事帰っていったときは、格別の喜びです
女の子のウサギを飼われている方は避妊手術についてよくご検討ください。