ペットの長寿化に伴い、心臓病が増えています。心臓病は症状がわかりにくいので、定期的な心臓検診が重要です。
1. 心臓病のリスクが高い子は?
以下に該当する子は心臓病に特に注意してください。
・小型犬(チワワ、トイプードル、パピヨン、シーズー、シュナウザーなど)
・好発犬種(キャバリアキングチャールズスパニエル)
・純血猫(アメリカンショートヘアー、ラグドールなど)
・過去に心臓の雑音を指摘された子
・咳が出る、疲れやすいなどの症状がある子
2. 心臓病を早期発見のためには?
心臓病を早期発見するために重要なのは、定期的な心臓検診です。心臓病の犬や猫では、疲れやすく(易疲労性)、咳が出る、呼吸が速いなどの症状が見られます。しかし飼い主さんがこれらの症状に気づく頃には心臓病はかなり進行しています。そこで症状がでていないときから、年に2回程度心臓検診を受けるのが理想的です。
3. 心臓病を発見するための検査は?
当院では心臓検診を随時受け付けております。聴診に始まり、心臓超音波検査・胸部レントゲン検査、心電図検査などを実施します。検査結果(報告書付)を詳しく飼い主さんへお伝えしたうえで治療方針を決定します。心臓検診をご希望の方はお電話にてご相談ください。所要時間は60分程度で、検査費用は15,000円から20,000円程度です。
心臓検診
基本検査項目
身体検査(聴診含む):全身の健康状態を評価します
胸部レントゲン検査:肺や心臓など循環器・呼吸器系を評価します
心臓超音波検査(心エコー):心臓の詳細な内部構造・血流・心臓機能を評価します
オプション検査項目
血中NT-proBNP測定:心臓ホルモンの測定により心臓の負担を数値化します
心電図検査:不整脈を検出します
血圧測定:血圧は心臓病治療で重要です
胸部レントゲン検査(肺や心臓を評価します) |
心臓超音波検査(心臓の内部構造や血流、心臓機能を評価できます) |
検査の結果は詳しく飼い主さんへお伝えします |
4. 心臓病の治療はどうするの?
一般的にはお薬で治療します。心臓病を早期に診断し治療を開始することが重要です。当院では10種類程度の心臓薬を常備しており、その子の状態に合わせて処方します。なお、近年では心臓手術も成果を上げており、手術が推奨される疾患の場合には専門病院をご紹介することもあります。