当院ではウサギの避妊手術も実施しています。
女の子のウサギを飼育されている方は避妊手術(卵巣子宮摘出術)についてよくご検討ください。
雌のウサギは、中年齢以降になると非常に高い確率で子宮疾患(子宮癌、子宮内膜炎)・乳腺疾患(乳癌など)になります。
5歳以上のウサギの7割で何らかの子宮疾患があったという報告もあります。
しかし犬や猫ほどウサギの避妊手術は一般的ではありません。
それはウサギの避妊手術を実施している動物病院が少ないことや、他の動物よりウサギは麻酔のリスクが高いことが理由です。
しかしながらウサギの子宮疾患の多さを考えると、ウサギの避妊手術が普及することを祈らざるを得ません。飼い主さんもいたずらに麻酔リスクを怖がることなく、動物病院で避妊手術のベネフィット(利益)とリスクをよくご相談されることをお勧めします。
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2020年の1年間で、25件のウサギ避妊手術を実施。
すべての子が無事に帰宅しました。
当院でのウサギ避妊手術の実施例
手術前
一度受診していただき、健康チェック・手術のご説明をします。飼い主さんにもウサギの避妊手術の必要性やリスクをよくご理解いただきます。
手術当日
・10:00 来院
絶食や絶水の必要はありません。
・12:00 麻酔導入
ウサギの麻酔は慎重にかけていきます。最初に注射の鎮静剤を打ち、その後ゆっくりとガス麻酔を吸引させます。最後にウサギ専用の気管チューブを挿入します。
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ウサギ専用気管チューブ |
・12:30 手術開始
麻酔時間を短縮するため、迅速かつ確実な手術をしていきます。
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摘出した子宮 |
・13:30 麻酔覚醒
・14:30 食餌開始
意識がはっきりしたらすぐに給餌をします。ウサギは絶食により消化管機能低下症を招くので、可能な限り早めに食事を再開します。
・翌日
食欲が戻り、全身状態が落ち着いていたら退院です。
体調により入院が延長になる可能性があります。