当院ではウサギの避妊手術も実施しています。女の子のウサギを飼育されている方は避妊手術(卵巣子宮摘出術)についてよくご検討ください。
2023年度、雌ウサギ51頭の避妊手術を実施し、すべての子が元気に帰宅しました。
当院のうさぎの避妊手術はすべて院長の北村が執刀しています。
うさぎの避妊手術に関するブログ
当院でのウサギ避妊手術の実施例
当院では「血管シーリング機器・サンダービート」を使用しています。この機器では従来法よりも手術時間が非常に短縮できます。これにより、ウサギで気になる麻酔リスクを低減できます。
○ウサギの避妊手術は実施したほうがいいのか?
雌のウサギは、中年齢以降になると非常に高い確率で子宮疾患(子宮癌、子宮内膜炎)・乳腺疾患(乳癌など)になります。5歳以上のウサギの7割で何らかの子宮疾患があったという報告もあります。従って、生後6か月から1歳を目安に、避妊手術を受けることをお勧めします。
○ウサギの麻酔リスクを軽減するための対策
麻酔リスクを軽減するために当院では下記のような対策を立てています。
①サンダービートを使用して、手術時間の短縮をはかる
②ウサギ用気管チューブの使用
③麻酔前検査を徹底する
麻酔のリスクが0になるわけではありませんが、安全性は高まっています。
手術当日
・10:00 来院
絶食や絶水の必要はありません。
・12:00 麻酔導入
ウサギの麻酔は慎重にかけていきます。最初に注射の鎮静剤を打ち、その後ゆっくりとガス麻酔を吸引させます。最後にウサギ専用の気管チューブを挿入します。
ウサギ専用気管チューブ |
・12:30 手術開始
麻酔時間を短縮するため、血管シーリング機器・サンダービートを使用します。
・13:30 麻酔覚醒
・14:30 食餌開始
意識がはっきりしたらすぐに給餌をします。ウサギは絶食により消化管機能低下症を招くので、可能な限り早めに食事を再開します。
・翌日
食欲が戻り、全身状態が落ち着いていたら退院です。
体調により入院が延長になる可能性があります。
手術前診察
初診の方は、手術の前に一度診察にいらして下さい。