モルモットは繁殖力の高い動物です。複数飼育をされる際は、去勢手術されることを推奨します。
日帰りでの手術が可能です。
モルモットの去勢手術に関するブログ
モルモットの去勢手術の実施例
モルモットの去勢手術には、犬猫とは異なるコツがあります。

そのコツとは、鼠径輪(そけいりん)の封鎖です。
精巣は、鼠径輪を通じて、お腹から陰嚢にぶら下がっています。
下のイラストの緑が鼠径輪という穴です。
この穴を通じて、お腹と陰嚢は繋がっています。

モルモットは他の動物に比して、鼠径輪が大きいです。去勢手術で精巣を摘出すると、鼠径輪がぽっかり穴になります。
術後に陰嚢の中に、腸管が落ちて嵌ってしまうことがあります。これを陰嚢ヘルニア といいます。
陰嚢ヘルニア では腸が締め付けられ、最悪の場合は腸管が壊死して、致命的な状態になります。

従って、モルモットの去勢手術では、総鞘膜という精巣を包む膜(イラストの青い膜)を除去します。
このようにすると、鼠径輪が封鎖でき、陰嚢ヘルニア になりません。
この鼠径輪の封鎖こそ、モルモット去勢手術の最大のポイントになります!
では実際の症例を紹介します。
Pちゃんは去勢手術希望で来院されました。

モルモットの精巣は体格の割に大きいです。

レーザーメスで切開して、精巣を露出します。

精巣の血管はシーリング装置で閉じます↓

そして最大のポイントがこちらです。
総鞘膜を剥離して、閉じてしまいます。


手術の傷はこの通り。

麻酔から覚ましていきます。

Pちゃん、お疲れ様ででした。


