凍結治療とは、体表にできた良性腫瘍やイボを
亜酸化窒素で凍結させて除去する治療です。
凍結治療の最大のメリットは、無麻酔で実施できることです。
凍結治療に関するブログ
凍結治療のメカニズム
凍結治療の対象は良性の体表腫瘍です。(悪性のガンは原則対象外です)
体の表面にできた良性腫瘍の模式図です↓
亜酸化窒素を噴射して、マイナス89度まで凍結されます。
すると凍結により腫瘍の細胞が死滅します!!
凍結治療から数日後、
凍結された腫瘍表面が壊死して剥がれます。
これを1週間間隔で繰り返すことで腫瘍が小さくなります。
小さな腫瘍であれば平均3回の治療で除去できます。
凍結治療のメリット、デメリット
凍結治療最大のメリットは、無麻酔で実施できることです。
デメリットは
①腫瘍除去が不確実であること
②通院回数が多くなることです。
手術であればほぼ確実に摘出できますが、凍結治療では再発する場合があります。
また手術であれば通常、手術前診察日、手術日、抜糸日の計3回で治療終了です。
凍結治療の場合はこれ以上に通院が必要になることがあります。
上記のようなメリットデメリット、犬の状態や腫瘍の種類を勘案し、
凍結治療適応か判断しています。
凍結治療の実施例
耳にできた腫瘍から出血するとのことで来院されました。
凍結治療を開始します。腫瘍は白く凍結します。
凍結→解凍→再び凍結というサイクルを3回ほど実施します。
所要時間は5から10分ほどです。
一週間後の患部です。
写真だとわかりにくいですが、小さくなっています。
2週間後の患部です。
完全に除去できました。