若いワンちゃんには皮膚組織球腫がよくできます
皮膚組織球腫は「組織球」という白血球の一種が異常増殖したものです。
腫瘍と聞くと、「ガンですか!?」と驚かれる飼い主さんが多いです
しかし皮膚組織球腫は良性の腫瘍であり、ガンではありません!
しかもこの腫瘍が不思議なのは、「2か月ほどで自然に消えてしまうこと」です!
若い子に多いのも特徴で、1-2歳が発生のピークです。
若い子にできて自然に消えてしまう…とても不思議な腫瘍なのです。
<皮膚組織球腫まとめ>
①若齢犬におおい
②ピンク色のドーム状腫瘤
③顔面に多い
④2か月程度で自然に消失する
<実例紹介>
5歳のサム君、元気なパグちゃんです
顔のしわの中に…
ピンク色の腫瘤が見えます
この時点で皮膚組織球腫を疑いますが、形質細胞腫や悪性の肥満細胞腫
の可能性もゼロではないため、細胞診を実施しました
細胞診は注射針で腫瘤の細胞を採り、細胞の形をみるものです
サム君の場合、皮膚組織球腫が強く疑われる細胞形態だったため、
自然退縮を待つことにしました
1か月後
サム君が再診に来てくれました
すっかり小さくなっていました。この分だと、そう遠からず、完全に腫瘍はなくなるでしょう!
サム君お疲れさまでした
今回は皮膚組織球腫の不思議な性質をご紹介しました
皆さんに注意していただきたいのは、
「見た目だけで皮膚組織球腫だから大丈夫♪」と思わないでください!ということです
悪性腫瘍の可能性もゼロではないので、必ず動物病院へ行ってくださいね。